今回はコロンアークさんから発売されている
「花見小路」を紹介します!
ゲームの概要
ここは京都の花見小路。
プレイヤーはあるお茶屋の行きつけとして、そのお茶屋に来ている7人の名高い芸妓のパトロンになろうとしています。
芸妓たちに扇子、毬(まり)、三味線など、様々なプレゼントを渡して気を惹きましょう。
ゲームでは手札からカードをプレイし、芸妓毎により多くの贈り物をしたプレイヤーがその芸妓のパトロンになることができます。
ただし手札のプレイでは相手にカードを渡さなければならない場合もあり、思うようには行きません。
うまく芸妓のパトロンになるのはどちらでしょうか?
ゲームの目的
ゲームはラウンド単位で進みます。
ラウンド終了時に7人中4人の芸妓のパトロンになることが出来たら勝利です。
または、獲得した芸妓の点数の合計が11以上になっても勝利します。
ゲームの準備
芸妓カード
色鮮やかな7色の「芸妓カード」をテーブルに並べます。
並べてみるとカラフルで美しいですね。
並べたカードの上には「芸妓コマ」を置きます。
ラウンド毎にその芸妓を獲得したプレイヤー側にコマを寄せて勝敗数をカウントするので、準備時はカードの中央にコマを置くようにしましょう。
街カード
同じ「街カード」を1枚ずつ受け取って自分の前に置きます。
これがラウンド中に自分が実行できるアクションの組み合わせになります。
街カードは8種類が収録されており、それぞれアクションの組み合わせが異なるので、どの街カードを選ぶかで戦略も変わってきます。
その後「アクションタイル」を4枚受け取って、街カードの蝶の上に並べます。
道具カード
「道具カード」をシャッフルし、それぞれに6枚ずつ配ります。
この道具カードを順番にプレイし、芸妓を取り合うことになります。
残りのカードのうち1枚を横向きに置き、残りをその上に縦向きで置きます。
道具カードは全部で21枚あり、お互いがラウンド中に10枚ずつ使います。
横向きに置いたカードはどちらも見ることはないカードなので、手札の読みあいの際にはこの見えない1枚の存在が重要になってきます。
ゲームの流れ
プレイヤーのどちらかが勝利条件を満たすまでラウンドを繰り返します。
ラウンドは「アクションフェイズ」と「勝敗判定フェイズ」で構成されています。
アクションフェイズ
手番プレイヤーは道具カードの山札から1枚を引いて手札に加えます。
その後、街カードに記載されている4つのアクションのうち、使用するアクションを選択します。
1度使ったアクションはラウンド中は2度使えないので、使う順番を考えて慎重に選びましょう。
以下はタイトルにもなっている街カード「花見小路」のアクションの説明です。
手札から1枚をウラ向きで伏せます。
伏せたカードは勝敗判定フェイズの際に公開して、対応する色の芸妓の前に並べます。
手札から2枚を選び、ウラ向きのまま捨て札にします。
捨て札は勝敗判定フェイズでも芸妓の前にカードを並べません。
手札から3枚を選んで相手に公開します。
その中から1枚を相手が選択し、相手側に置きます。
残った2枚を自分が獲得して芸妓の前に並べます。
手札から4枚を選び、2枚ずつのセットを作ります。
2つのセットを相手に公開し、相手がどちらか一方のセットを獲得して芸妓の前に並べます。
残った方のセットは自分が獲得します。
3つ目や4つ目のアクションは相手に先に好きなカードを取られてしまうんですよね…。
できるだけ相手に不要なカードを公開するのが良いのですが、そんな都合の良いカードが手札に何枚もあるはずが無く。
なかなか悩ましい選択になるでしょう。
選択したアクションは、アクションタイルを動かして覆うことで選択済みであることを表します。
次の手番ではアクションタイルで隠されているアクションは選ぶことは出来ません。
勝敗判定フェイズ
まずはアクションフェイズ中にウラ向きで伏せたカードがあるのであれば、それを公開して芸妓カードの前に並べます。
その後、色ごとにどちらの道具カードの数が多いかを比べていきます。
より多く道具カードを並べたプレイヤー側に芸妓コマを移動させます。
上記の例では、紫は3対1で相手の勝ち。
青は2対1でこちらの勝ち。
緑は1対1で引き分けです。
こうして、
- 4つの芸妓コマが自分側に移動している
- 自分側の芸妓カードの数字の合計が11以上になっている
のいずれかの条件を満たしていれば、そのプレイヤーの勝利となります。
次のラウンド
いずれのプレイヤーも勝利条件を満たしていないなら、次のラウンドに移ります。
道具カードをすべて集めてシャッフルし、新たに配り直します。
ただし芸妓コマは真ん中に戻さず、そのままの状態で次のラウンドを継続します。
相手側に移動した芸妓コマは、次のラウンドで相手より道具カードを多くプレイすれば、こちら側に移動させることが出来ます。
ゲームの感想
ひとことで言うなら和風バトルライン。
ただしバトルラインとは異なり役という概念はないので、単純に枚数での勝負になっている分はスッキリとシンプルなルールにまとまっています。
基本的には7人の芸妓のうち4人を獲得すれば勝利ですが、点数の高い芸妓を獲得して11点を集めても勝利なので、どちらの戦略を採るか頭を悩ませます。
意識すべきポイントとしては「道具カードは、対応する芸妓カードの得点の枚数分ある」ということですね。
2点の芸妓なら道具カードは2枚。5点の芸妓なら道具カードは5枚、という具合です。
つまり2点の芸妓に対して1枚道具カードを出せたら、その時点で半数票を確保したことになるので、少なくとも相手に取られる心配は無くなります。
半数の票を確保しやすい芸妓は点数が低い。半数の票を確保しにくい芸妓は点数が高い。
このトレードオフの構造ですね。
これが絶妙なバランスなんです。
たとえば、「花見小路」の4番目のアクションで以下のように2セットを提示されると結構悩みませんか?
紫2枚を確保すればほぼ5点は獲得できるから11点勝利に大きく近づける。
でも赤とピンクを1枚ずつ渡してしまうと、その時点でその2色は取れないことが確定するので4勝を取られて負ける可能性が高くなる。
うーん。難しい。。。
自分の手札と相談して、4勝と11点のどっちの勝利方法が近道なのかを考えて選択する必要がありますね。
そして個人的にこのゲームで面白いと思ったのはカードのプレイ方法です。
4つの中から順番にアクションを選択してカードをプレイしますが、同じアクションは選べないので必ず1回ずつ使用する必要があります。
アクションの中には「相手にカードを先に渡して残りをもらう」系のものがあって、これにめちゃくちゃ悩まされます。
言ってみれば手札は全部自分の場に出したいんですよね。当たり前ですけど。
なのにわざわざ相手にカードをあげないといけない状況に「うわー…どれも渡したくねぇ~」と思うわけです。
その苦悩こそが、花見小路の面白いポイントでした。
ちなみに「3枚公開してその中から1枚相手に渡す」なんてのは可愛い方で、「祇園東」という街カードのアクションセットにはもっとヤバいものがあります。
それがこちら。
アクションの効果は「4枚公開してその中から3枚相手に渡す」です。
自分の手番アクションなのに、相手の方が多くカードをプレイできるという不思議。
2人用のカードゲームとして他のゲームにも見られるように、かなり心理戦です。
よく慣れた上手いプレイヤー同士であれば、深い読みあいを楽しめるでしょう。
「相手の伏せたカードは何だったのか?」
「このカードを公開して、あえてこれを取らせよう」
なんて読み合い探り合いを楽しめる人にはハマると思います。
あなたもぜひ美しい芸妓のパトロンになってみてはどうでしょうか。
読んで下さりありがとうございました!