今回はホビージャパンさんから発売されている
「ブラッディイン」を紹介します!
前回紹介した「デッドマンズカバル」に引き続きダークなテーマのゲームを紹介してみましょう。
「デッドマンズカバル」の記事はこちら。
ゲームの概要
血に濡れた宿屋の主人となり、宿泊客を殺害してお金を稼ぎましょう。
死体のポケットからお金を盗んでもっとも裕福になるのがこのゲームの目的。
客を買収して共犯者に加え、設備を増やしてアクションを強化し、死体は埋めて証拠隠滅です。
ただし警官に死体が見つかると逮捕されるので気を付けなければいけません。
警官の捜査の目から逃れるためには、警官を買収するか、それとも殺害するか…?
ゲームの準備
宿屋ボード
テーブルの中央に「宿屋ボード」を広げて置きます。
宿屋には全部で8つの部屋があり、毎夜8人の宿泊客がこの宿を訪れることになります。
客カード
「客カード」をよくシャッフルし、山札を作ります。
山札は宿屋ボードの入口(左)にオモテ向きで置きます。
鍵トークン
各プレイヤーは担当色を選び、その色の「鍵トークン」を宿屋の好きな部屋に置きます。
宿泊料としてお金を得ることができます。
その他の準備物
「ディスク」1個、「10フラン小切手」1個、「小作農カード」2枚、「プレイヤーエイドカード」1枚を受け取ります。
ディスクは宿屋ボード上で現金の残高を表します。
ゲーム開始時は5フランの位置にディスクを置きます。
プレイヤーエイドカードは自分の前に置いておきます。
これはゲーム開始時からプレイヤーが所有する「納屋」として使用することができます。
ゲームの流れ
このゲームの目的は、宿屋に宿泊する客を殺害してその死体のポケットからお金を奪い、もっとも裕福になることです。
ゲームはラウンドを繰り返して進行します。
ラウンドは夜、深夜、朝の3フェイズで構成されていて、ラウンド毎にスタートプレイヤーを交代します。
フェイズ1:夜(旅行者の歓迎)
スタートプレイヤーは、宿の部屋が満室になるまで旅行者を受け入れます。
宿屋の入り口の山の上から1枚ずつ、空いている任意の部屋に配置していきます。
フェイズ2:深夜(プレイヤーアクション)
スタートプレイヤーから時計回りにアクションを実行します。
順番が2周して各プレイヤーが2アクションずつ実行したら深夜フェイズが終了します。
実行できるアクションは以下の5つです。
- 客の買収
- 追加設備の建設
- 客の殺害
- 死体の埋葬
- パス(および資金洗浄)
客の買収
宿屋に宿泊する客を買収して、あなたの計画の共犯者(手札)にすることができます。
買収するのは、あなたの部屋に泊まっている客でも、他のプレイヤーの部屋に泊まっている客でも構いません。
客を買収するためには客のランクに等しい枚数の手札をプレイして支払う必要があります。
客の買収のためにプレイしたカードの内、買収アイコンがあるカードは消費されず、手札に戻すことができます。
それ以外のカードは宿屋から去るので、宿屋の出口スタックに重ねて置きます。
ただし、支払ったカードが「小作農カード」の場合は出口ではなく宿屋ボードの「酒場」に置きます。
また、宿泊客ではなく酒場にいる小作農を買収することもできます。
小作農を買収する時は、1アクションで2枚まで買収することができます。
追加設備の建設
手札の共犯者が持つ設備を建設し、アクションの強化やフランの獲得ができます。
設備を建設するには、客カードのランクに等しい枚数の手札をプレイする必要があります。
建築のためにプレイしたカードの内、建築アイコンがあるカードは消費されず、手札に戻すことができます。
それ以外のカード処理は買収の時と同様です。
建築したカードはオモテ向きで自分の前に並べておきます。
設備にはさまざまな効果があります。
代議士(応接室)
これ以降、「客の買収」アクションを実行するときにプレイする共犯者を1人減らす
男爵(大シャンデリア)
即座に4フランを得る
客の殺害
宿屋に宿泊する客を1人選び殺害します。
客を殺害するには、客のランクに等しい枚数の手札をプレイします。
殺害に使用したカードの内、拳銃アイコンがあるカードは消費されずに手札に戻すことができます。
殺害した客は、ウラ向きにして手元に置きましょう。
これはあなたが保持している死体を表しています。
後述する「警察の捜査」のタイミングで死体を持っているとペナルティを受けるので注意しましょう。
客を殺害しただけではまだお金は手に入りません。
お金を手に入れるためには死体を埋葬する必要があります。
死体の埋葬
手元の死体を1体、建物の地下に埋めて隠すことができます。
それと共に死体が持っていたお金を獲得します。
死体を埋めるためには、死体のランクに等しい手札をプレイする必要があります。
埋葬のためにプレイしたカードの内、棺桶アイコンがあるカードは消費されず、手札に戻すことができます。
死体は建物の下に埋める必要があります。
「追加設備の建設」アクションによって建てられた建物は、その数字の数だけ死体を埋めることができます。
死体を埋めるとその建物の下にカードを差し込み、死体がポケットに持っていたお金を獲得して財産トラック上のディスクを進めます。
ここで注意が必要なのは、財産トラックの上限は40フランまでということです。
お金を獲得した結果41フラン以上になってしまった場合は、超過分のお金は獲得できません!
パス(および資金洗浄)
パスをすることで資金洗浄をすることができます。
10フラン単位で財産トラック上の現金と小切手を交換できます。
フェイズ3:朝(ラウンドの終了)
警察の捜査
宿屋のいずれかの部屋に「警官カード」が残った状態で朝を迎えると、その警官は捜査をはじめます。
捜査の際に、埋葬していない死体を持っているプレイヤーは、死体1つにつき10フランを支払わなければいけません。
10フラン支払った後は、手元の死体カードは捨て札になります。
客の出発
部屋に残った客が宿屋を出発し、出口スタックに重ねます。
この時、各プレイヤーの色の部屋から出発した客1人につき1フランを得ることが出来ます。
報酬の支払い
共犯者(手札)への報酬を支払います。
各プレイヤーは手札の枚数に等しいフランの分だけ、財産トラックのディスクを後退させます。
報酬を支払えなかった場合は、不足分の手札を出口スタックに重ねます。
ゲームの終了
入口スタックが1度目に尽きた時は、出口スタックにたまった客カードをシャッフルして入口スタックに移動させます。
2度目に尽きた時はゲーム終了です。
ゲーム終了時に、もっとも略奪し、もっとも裕福になったプレイヤーが勝利です。
ゲームの感想
テーマがブラックすぎておもしろい!
なかなか人を殺害することを目的とするゲームは無いので斬新だと思います。
そして箱絵とカードのキャラクターたちは、なかなかに狂気を感じてゲームの雰囲気とマッチしています。
アクションの種類はいくつかありますが、買収・建築・殺害・埋葬のいずれも客のランクによるコストを支払うというルールが共通なので、一度プレイすればすんなりルールは理解できます。
よく考えられたシステムですね。
ゲーム中はやることが多くて忙しいです。
客を殺害したいけど、殺害と埋葬に協力してくれる共犯者も集めておきたい。
殺害したら警官に見つからないうちに埋葬したい。
お金を奪った後は資金洗浄で現金を小切手に変えたい…。
1ラウンドのアクションは2回までなので、計画的にアクションを選びましょう。
「今夜は警官が泊まっていないから買収と殺害までして、明日埋めてそのまま資金洗浄までやろう」
なんて感じです。
だいたい次のラウンドくらいまでの行動は考えてプレイするのですが、予想外のタイミングで警官が宿を訪れるとその計画が狂い始めて焦ります。
そうなると手数が足りなくなって、死体を発見されないためにやむなく警官を殺害するしかなくなったり…。
計画外の殺人を犯してしまうと死体が積み重なってドツボにはまっていくんですよね。
手数を計算して綿密に殺害計画を立てるのは、さながら自分が殺人者になったような没入感を味わえます。
ただしテーマがテーマだけに万人にウケるゲームではないでしょうね。
とりあえず子供と遊ぶのはダメかな。倫理的に。
それでもゲーム自体はおもしろいので、大人同士で殺人者になりきって略奪の限りを尽くしてみるのも一興ではないでしょうか。
読んで下さりありがとうございました!