今日はホビージャパンさんから発売されている
「グロウ~トモシビノタビ~」を紹介します!
ゲームの概要
プレイヤーたちは、色を失った白黒の世界で光を取り戻す旅に出ます。
道中出会った仲間を加え、獲得したダイスを振って、仲間が持つアビリティを駆使しながら光のカケラを集めましょう。
相性を考えながら仲間を選んでパーティを構築する戦略性と、ダイスによる運要素が良いバランスでマッチしています。
なによりも、沢山あるダイスをバラバラ振るのが楽しいゲームです。
ゲームの準備
旅ボードを選ぶ
このゲームの「旅ボード(ゲームボード)」は両面仕様となっており、オモテ面を「影の領域」、ウラ面を「闇の群島」と呼びます。
マップの違いによってルールにも多少の差異があり、違ったプレイ感を楽しむことができます。
以降の説明はすべて「影の領域」のルールになります。
冒険者を選ぶ
各プレイヤーはそれぞれ「冒険者」の中から好きな1枚を選びます。
選んだ冒険者によって、対応する色の「パーティートークン」「キャンプトークン」を受け取り、旅ボードのスタート地点に置きます。
また、冒険者カードの左上に描いてある色と数のダイス(大)も受け取ります。
ダイスの色について
ダイスには、「火」「水」「雲」「岩」「木」の5種類のエレメントがあり、どの色のダイスも6面中5面はこのエレメントが1つずつあります。
残る1面はダイスごとの固有の面になっていて、赤ダイスなら「火」、青ダイスなら「水」になっています。
つまり、ダイスの色によって出やすいエレメントがあるということです。
仲間カードを公開する
旅をする中で冒険者が出会う「仲間カード」です。
このゲームでは毎日1人の仲間を加えて、8日間で8人の仲間と旅をすることになります。
仲間カードはウラ面AとBで分類されていて、分類ごとに分けてシャッフルし、2つの山を作ります。
その後、Bが下、Aが上になるように重ねて1つの山にします。
山札ができたら上から5枚をオモテにして公開し、「出会いトラック」のエレメントマークのある場所に並べます。
スタートプレイヤーを決める
ランダムな方法でスタートプレイヤーを決め、「スタートプレイヤートークン」を受け取ります。
また、スタートプレイヤーの右隣、つまり最後の手番プレイヤーは「リロールトークン」を2つ受け取ります。
ダイス(小)を配置する
ダイス(小)を振り、出た目をそのまま変えないように、目と対応するエレメントが記されている出会いトラックの場所に配置します。
出会いトラック上で、ダイス(小)が配置されなかったエレメントには「足跡トークン」を1つ配置します。
以上でゲームの準備は完了です。
ゲームの流れ
このゲームの目的は、闇に覆われた世界の中で、「光のカケラ」をたくさん集めることです。
光のカケラがつまりVPであり、8日間(8ラウンド)の旅を終えた時に、もっとも光のカケラを集めたプレイヤーの勝利となります。
1日は以下5つのフェイズで構成されています。
- 早朝
- 午前
- 真昼
- 午後
- 夕方
早朝:仲間を集める
スタートプレイヤーから時計回りの順番で、出会いトラックに公開されている仲間を1人選んで獲得します。
この時、選んだ仲間カードと同じスペースに置かれているダイス(小)と足跡トークンも一緒に受け取ります。
獲得した仲間カードは、上記の画像のように自分の手前に並べておきましょう。
全員が仲間を選び終えたら、出会いトラックに残った仲間カードは全て捨て札となります。
午前:ダイスを振り、リロールする
自分が所持しているダイスをすべて振ります。
この時、リロールトークンを持っているプレイヤーはダイスのリロールが可能です。
リロールする場合は最大2個までのダイスを選んで振り直します。
注意ポイント
リロールが済んで確定したダイスは、今後ラウンド終了まで目が変わることはないのでよく考えて確定させましょう。
真昼:カードを解決する
ダイスの目を使って自分の前に並んでいるカードの「アビリティ」が発動するかどうか確認します。
アビリティはカードの下側に記載されていて、矢印の左側が発動条件、右側が効果になります。
アビリティは、ダイスが足りるのであれば複数回発動させることも可能です。
例えば「デヴュエル」は、「雲」エレメントが2つあればアビリティが2回発動し、足跡トークン2個と光のカケラ2個を獲得できます。
また、ダイスの使用状況はカード単位でリセットされます。
上の画像の場合は、まず「岩」が2個あるので「ムロック」のアビリティが2回発動し、足跡トークン2個を獲得します。
次の仲間カード「トゥアプ」を解決する時には、再度「岩」を使用可能として判定し、蛍トークン1個と光のカケラ2個を獲得できます。
午後:旅を続ける
各プレイヤーは、ダイスの目をそのまま使って、旅ボード上の自分のパーティを移動させることができます。
例えば、「木」を2個、「水」を1個持っているプレイヤーは、スタート地点から2マス移動できますが、その先のマスに必要なエレメントが足りないので、それ以上進むことはできません。
旅ボード上には光のカケラが描かれている「村」が存在します。
ここに到達したプレイヤーは「キャンプトークン」を配置することができ、ゲーム終了時に村に描かれている光のカケラを獲得できます。
夕方:ラウンドの終了とリセット
各プレイヤーは自分の持つダイス(小)をすべて振り、出た目に対応する出会いトラックのスペースに配置します。
その後、仲間カードのデッキから5枚を公開し、出会いトラックに並べます。
そしてスタートプレイヤートークンを左隣に回して次のラウンドに進みます。
得点計算
8日(8ラウンド)が終了すると、ゲーム終了となり得点を計算します。
ゲーム中にアビリティの効果によって獲得した光のカケラに以下の4項目の得点を加算して、もっとも点数の高いプレイヤーが勝利します。
- 冒険者と仲間たち
- 旅ボード
- 蛍
- 足跡トークン
冒険者と仲間たち
自分の冒険者と「仲間カード」の右上に表記されている光のカケラを合計します。(光のカケラがない仲間カードもあります)
上記は合計で7点の光のカケラになります。
旅ボード
自分の「キャンプトークン」が置かれている村に描かれている光のカケラを獲得します。
あくまでキャンプトークンの位置が得点になるので、自分のパーティトークンの位置は関係ありません。
蛍
ゲーム中、仲間のアビリティや、カード左上のアイコン表記によって、「蛍」を獲得することがあります。
蛍の数を合計し、それが自分の集めた仲間カードの枚数以上であれば、10個の光のカケラを獲得できます。
足跡トークン
自分が所持している足跡トークン1つにつき、光のカケラを1個獲得します。
ゲームの感想
コンポーネントについて
白と黒で構成されたゲームボードや仲間カードが、ゲームのバックストーリーとマッチして良い感じです。
この落ち着いた雰囲気によって、色のない静寂な世界を旅しているという没入感が得られます。
全体的に落ち着いたコンポーネントの中にひと際目を引くカラフルなダイスは、いいメリハリになっていてプレイヤーの目を楽しませてくれるでしょう。
それが「静と動」みたいな対比になっていて、私はかなり気に入りました。
全体としてアートワークがオシャレでコンポーネントの満足感は高めです。
カードバランスについて
このゲームで感心したのが、仲間カードのアビリティとVP獲得のバランスが良い点ですね。
例えば「ウーカン」はゲーム終了時にマイナス2VPを受けなければならない仲間カードです。
最初の印象だと「マイナスは取りたくないな」と思ってしまいますよね?
でもこれは「ゲーム終了までにアビリティを3回以上発動させてトータルで得られるVPをプラスに転じさせる」というバランス設計なんだと気づきました。
他にも「カパオ」はゲーム終了時に5VPを得られますが、途中で「雲」2つを揃えてしまうと死亡してVPを得られなくなります。
カード右上の光のカケラが得られるのは、あくまでもゲーム終了時ですので。
ゲーム終了までアビリティを発動させずに生かせる自信があるなら仲間に入れても良いでしょう。
このように、表面的な獲得VPだけではなくゲーム全体を通して、この仲間カードからいくらのVPを得られるのか?
ということをダイスの期待値から考慮して仲間に加える必要があるということです。
相性について
仲間同士に相性があるのでパーティ構築は大事です。
私は初プレイで何も考えずに選んでいたら、こんな組み合わせになっていました。
「ムンダルー」のアビリティは「雲」と「火」が1つも無いことが条件です。
しかし「デヴュエル」は「雲」3つが条件。
どちらか一方の条件しか狙えないので、とても非効率なパーティ構成ですね。
仲間同士の相性以外にもダイスと仲間の相性も大事です。
例えば、最初の冒険者に「テアティース」を選んだ人は、水の目が出やすい青ダイスを2個持っています。
そこでこんな仲間をパーティに加えるとどうでしょう。
出やすい「水」1個で3VPを獲得できるので、とても相性がいいです。
このように、相性をうまく考慮しながらどの仲間を選ぶかを考えるのが楽しいポイントでした。
まとめ
ゲームの基本はダイスなので運が非常に大事な要素ですが、リロールトークンの獲得手段が豊富に用意されており、簡単にリロールが撃てるので運が無い人でも意外と何とかなります。
そしてアビリティ発動を優先するのか、それともマップを進めるのを優先するのかという選択が悩ましくも面白かったです。
ダイスゲームとしてかなりバランスの良いまとまった作品なので、みなさんもぜひ遊んでみてください。
「グロウ」は公式のプレイ人数は2~4人となっていますが、BGGにてソロルールが公開されています。
ソロルールの紹介はこちらの記事にまとめていますのでぜひ遊んでみてください。
読んで下さりありがとうございました!