
こんにちは!久々のブログ更新となります。カレオです。
昨年kickstarterで支援していた「Hegemony: Lead Your Class to Victory」が、先日ついに我が家に着弾しました。
ルール量が多くて超重量級と言って差し支えない本作ですが、経済ゲームとして他と一線を画するリアリティを持ち、まさにプレイヤーたちで国の経済を回している感覚を味わえる最高のゲームだったので、記録としてブログ記事に残しておきます。
私が数回の(1人4役での)テストプレイと、先日オープン会で遊んだ経験を元に、各クラスの特徴・基本戦略やプレイ難易度をまとめておきます。
ぜひとも初めてHegemonyをプレイする際の指針にしてもらえれば。
それではどうぞ!
労働者階級

プレイ難易度:★☆☆
労働者階級のやることは至って簡単。
他のクラスの会社で労働し、得た賃金で健康・教育・贅沢品を購入して繁栄を高めましょう。
労働組合を作るなどでVPを稼ぐ手段は他にもありますが、VPの大部分は繁栄トラックを進めることで得られるので、ここに全振りするのが良いです。


いかに多くの資源を購入できるかが肝心なので、公共サービスエリアの半額や無料の健康・教育は積極的に購入します。
公共サービスエリアに資源が残っているなら中産階級に取られる前に取ってしまいましょう。
アクションフェイズの手番順としても、まず最初に労働者階級に購入権があるため、資源の確保は容易です。
個人的な法案の優先順は5A(教育無償化)>4A(健康無償化)>2A(賃金L3)。
7C(移民+2人)は人口トラックが進むというデメリットもあるので一長一短。
資本家階級や中産階級の会社設立状況から、労働組合が組めそうなら人口を増やすのもアリかなという程度です。
やることが非常にシンプルなクラスなので初心者がまず最初にプレイしてみるのにオススメのクラスです。
資本家階級

プレイ難易度★☆☆
資本家階級のやることも単純明快。
労働者を雇って商品を生産し、それを売って利益を最大化します。
資本家階級は富トラックから大量のVPを獲得できます。
そのために、資本エリアにどれだけお金を残せるかが重要です。
お金を残すために重要な要素も明白で、
- いかに大量の商品を生産するか
- いかに税金の支払いを抑えるか
の2点に集約されます。
商品の生産に関しては、1-2ラウンドの序盤でマーケットに自動化会社が並んでいたら優先して建てたいところ。
初期の投資が高いですが、その後の賃金の支払いがないことを考えると、建てるのが序盤であるほどメリットのある会社と言えるでしょう。

あとは、業界ごとの会社数が偏らないようにして満遍なく色んな資源を生産できるようにしましょう。
色々な種類の資源を持つ方が、外国市場に売ることになった時に1アクションで行なう取引の数を増やせるので有利です。
提案する法案は、3Cが最優先。

基本的には雇用税も法人税も3Cが最も有利なので、全力で3Cを狙ってください。
少なくとも3Bまでは中産階級も同調してくれるはずです。
あと外国貿易政策については好みが分かれるところかもしれません。

6Aになると商取引での仕入れが不可能になりますが、関税が高くなるため食料と贅沢品の値上げが可能になります。
6Cになると関税が無くなり、商取引が2回できるので、商取引→外国市場に売るの流れが可能です。
ただ、商取引で仕入れた商品を外国市場に売る場合、2アクション必要でその儲けも約50金以内に収まることがほとんどだと思います。
実質1アクションで20-25金くらいなので、個人的にはそこまで強いムーブとは思えないですね。
バランス的には6Bのままでもいいかなぁと思います。
資本家階級は、お金をいかに蓄えるかのみを追求するクラスです。
これも方針が明確でシンプルなので、初心者向けのクラスと言えるでしょう。
中産階級

プレイ難易度★★☆
やることは労働者階級と資本家階級の両方合わせた感じで、繁栄を高めつつ、会社を経営して商品を生産します。
資本家階級とは異なり、外国市場に商品を売るとVPを得ることが出来ますが、1回のアクションで得られるのはせいぜい3VP程度が限界なのでこれをメインにVPを稼ぐのは無理があります。
やはり労働者階級と同じく繁栄トラックを進めるのが大きな得点源になるでしょう。
ただ、単純に労働者階級と繁栄トラックのレースをすると必ず負けることになります。
理由は以下の3点です。
- アクションフェイズの手番順の関係で半額・無償の資源を労働者階級に先に買われる
- 繁栄トラックのスケールが労働者階級より小さい
- 準備フェイズで繁栄トラックが2下がる(労働者階級は1しか下がらない)
なので、労働者階級と差別化するポイントとして、商品を自分で生産して自分で消費できる点を活かすのが良いです。
マーケットの会社カードにもよりますが、教育>贅沢品>健康の優先度で会社を設立しましょう。
提案する法案は、3B以下に課税乗数を下げるのと、教育と健康の半額or無償化は状況に応じて。
ただテクニックとして、公共サービスの教育と健康の価格は同額になるように価格をキープした方が良いです。
例えば、健康のみ無料で教育は10金の場合、アクションフェイズの1ターン目で労働者階級に無料の健康を買い占められて、自分は定価でしか資源を購入できませんが、健康も教育も両方半額であれば、片方を労働者階級に買われても、残った片方を自分で購入することができるようになります。
これ割と重要なテクニックなので、中産階級でプレイする時は意識した方が良いと思います。
「繁栄トラックを進める」と「会社を運営する」の両方を適切なバランスで保つ必要がある中産階級は、労働者階級と資本家階級に比べると多少難易度が上になる印象です。
中級者にオススメ。
国家

プレイ難易度★★★
労働者階級、中産階級、資本家階級の要望に応えて正当性を高めてVPを得ます。
他のクラスにはない独特なプレイ内容で、かなり上級者向けのクラス。
少なくとも初プレイの人は国家を選ばない方が無難です。
毎ラウンド2枚のイベントカードを達成するのは、よほどのことが無ければほぼ必須だと思われます。
その上で、際限なくお金や資源を提供すると、財政破綻を起こすのでバランスの見極めが難しい。
財政破綻を起こしてIMFに介入されると、大きな得点源である正当性が半分になり、かなりの痛手を受けることになるので、いかに財政破綻しないかが重要です。
しかし他のクラスのアクションカードで強制的に補助金を払わなければならないケースが多く、国庫の残金の不安は常について回ります。
特に資本家階級や中産階級の生産力が高まる後半のラウンドでは
「健康危機」や「高等教育プログラム」のアクションカードをプレイされると90金や60金を支払うこともあるので、その後の生産フェイズの賃金支払いと合わせて200金程度は一瞬で吹き飛びます。

そのため、国家のアクションで意外と重要になるのが「外国市場に売る」アクションでしょう。
半額や無償の資源を買ってもらってVPや正当性を得たいのは山々ですが、それでIMFが介入することになると痛すぎるので、適度に外国市場に資源を売却し、最低限のお金を確保した方が良いです。
提案する法案は、資本家階級からの税収に直結する3Aが最優先です。
ここは即時投票を使う価値があるくらいに重要な政策ですが、当然資本家階級は反対するでしょうし、中産階級も反対する可能性が高そうです。
少なくとも労働者階級を味方につけないと勝ち目は薄いでしょう。
ただ、労働者階級にとって3Aの政策が有利に働く状況は、労働市場政策が2C(L1賃金)にある場合のみです。

3Aと2Cの組み合わせで所得税が人口あたり1金になるので、この状況を作ってやると労働者階級は確実に味方してくれます。
そのためには、まずは資本家階級と協力して2Cの法案を通すことが先決です。
つまり、2C→3Aの流れで法案を通しましょう。

その他の政策について、健康・教育の価格は下がってもそれはそれでメリットがあるので、他クラスの意向に任せても良いと思います。
あと個人的には1Bは提案したいですね。

ローン1枚が許容になることに加えて、公共サービスの生産量が上がれば、1ターン目に資源を労働者階級と中産階級に買われても、前述の通り残った資源を外国市場に売却できる可能性があります。
ここまで国家のプレイの難しさを書いてきましたが、IMFにさえ気を付ければ得点フェイズでの得点能力はとても高いので、1位を狙えるポテンシャルは高いです。
かなり玄人向けの調整に仕上がっている印象ですね。
おわり
以上、各クラスの特徴と基本的な戦略を紹介しました。
ここにあげたのは個人的な見解なので、あくまで参考程度でお願いします。
各クラスの思惑が複雑に絡み合い、かなり濃厚なゲーム体験ができるので、未プレイの方も恐れずにプレイしてください!
ではよきヘゲモニーライフを!