
こんにちわ!カレオです。
今回は、数奇GAMESさんから日本語版が発売されているスマートフォン株式会社を紹介します。
「スマートフォン株式会社」は、「ファーナス-ロシア産業革命-」のゲームデザイナーと同じイワン・ラシン(Ivan Lashin)の作品です。
白と紫を基調としたゲームボードや、透明でオシャレなトークン類でスタイリッシュなコンポーネント。
BGGのウェイトは2.74と、ルールもシンプルで個人的にはかなりオススメの中量級ゲームとなっています!
プレイ人数 | 1~5人 |
プレイ時間 | 90分 |
対象年齢 | 14歳以上 |
ゲームの概要
プレイヤーはスマートフォンの製造販売を行なう企業のCEOとなり、最も大きな利益を上げることを目指します。
利益を上げるためには、製品の価格決定、生産、技術開発、物流網の開拓、販売…と一連の経営を合理的に行う必要があります。
このゲーム最大の特徴は、プレイヤーパッドによる行動計画の決定です。
ラウンド毎に適切な計画をプレイヤーパッド上で実現し、ライバル企業を出し抜いてVPを獲得しましょう!
ゲームの準備
プレイヤーの準備
担当するプレイヤーカラーを決め、対応する色の進捗マーカー、オフィスマーカー、商品マーカーの入ったオーガナイザーを受け取ります。

また、2枚のパッド、ついたて、改善タイルも合わせて受け取ります。

各タイルの準備
ゲームボードの所定のエリアに、改善タイル、特許タイル、技術タイルを置きます。


ゲームの流れ
ゲームは全5ラウンドで、ラウンドには以下の8つのフェーズがあります。
- 計画
- 価格決定
- 生産
- 生産改善
- 技術の研究
- 物流
- 販売
- VP取得
計画フェーズ
今後のフェーズでの行動を決定する重要なフェーズ。
裏と表でアイコンが異なる2枚のプレイヤーパッドを組み合わせて計画を立てます。

パッドの組み合わせ方で、どのアイコンを何個見える状態にするかが重要なポイントです。
このフェーズが終了した時に見えている状態のアイコンがアクティブなアイコンと見なされ、その種類と数がこのラウンドのスマホの販売価格や生産量を決定します。
手元にある改善タイルをパッドに重ねて、パッドの内容を改善することもできます。


価格決定フェーズ
ラウンド開始時、全プレイヤーのスマホ販売価格は「5」で固定されています。

このフェーズではパッド上で見えている$マークの数によって、販売価格を上下させることができます。

上の画像では、+$が1個、-$が2個あるので、差し引きでマイナス1されて価格は「4」になります。
ここで決定された価格が低いほど、次のフェーズ以降の手番順が早くなりますが、販売価格が低いということは得られるVPも少なくなるので、どこまで価格を下げるかは慎重に見極める必要があります。
価格が決定したら、ゲームボード上の価格トラックのキューブを上下させて価格を記録します。

生産フェーズ
パッドの行動計画に従って商品を生産します。
商品の生産量は、パッドでアクティブになっている商品アイコンの数と、2枚のパッドが重なって隠されているマスの数の合計になります。

上記の例では、3マスが隠れていて商品アイコンが2個あるので、合計5個の商品を生産します。
ココに注意
商品の在庫はラウンドをまたいで持ち越せません。
なのでラウンド中に販売可能な数を考慮して計画的に生産することが重要です。
生産改善フェーズ
パッドで生産改善アイコンがアクティブになっている場合は、生産改善タイルを取得することができます。

生産改善タイルはボード上に公開されている中から好きなものを選んで1枚獲得し、次のラウンドから使用することができます。

技術の研究フェーズ
アクティブになっている技術アイコンの数に応じて技術開発を進めて自分の商品の価値を高めることが出来ます。

研究できる技術には、GPS、Wi-Fi、4Gなど、スマホによくある機能が並んでいます。
これらを研究するには、アクティブな技術アイコンの数だけ進捗マーカーを取り、研究したい技術のマスに置きます。

技術ごとに決まっている数まで進捗マーカーが貯まると、その技術を獲得することが出来ます。

技術を獲得すると、技術の特性を使用して各フェーズで有利な効果を得られたり、販売フェーズでその機能を欲しがっているバイヤーに商品を販売できるなどのメリットがあります。
また、全プレイヤーの中で最初にその技術を開発したプレイヤーは特許を取得し、特許タイルを獲得します。
ゲーム終了時には、特許タイルに記載されたVPを得ることが出来ます。
2番目に技術を開発したプレイヤーは特許タイルを得ることは出来ませんが、最初のプレイヤーが特許を獲得して技術を公開すると、それ以降は技術開発が容易になるため技術を獲得するために必要な進捗マーカーの数が-1されるというメリットがあります。


物流フェーズ
プレイヤーは初期状態では、ある地域に1つのオフィスを構えているだけです。

オフィスのない地域には商品を販売することは出来ません。
このフェーズでは、アクティブなトラックアイコンの数だけ進捗マーカーを取り、新たなオフィスを建てたい地域に配置します。

進捗マーカーが地域ごとの必要数に達したら、その地域にオフィスを建てることができ、商品を販売することが可能になります。

販売フェーズ
生産フェーズで生産した商品を、自分のオフィスのある地域に販売します。
ここで重要になるのが、商品価格とバイヤーのニーズです。
地域にある赤いマスは、その価格以下のスマホを購入したいと思っているバイヤーで、紫のマスは特定の技術研究が完了しているスマホであれば値段は関係なく購入したいと思っているバイヤーです。

上記の画像の例であれば、設定価格「5」でWi-Fiと4Gの技術研究が完了しているスマホをオーストラリアで販売する場合、一番左の「4」のマスは価格4以下でないと商品を買ってくれないので売れませんが、「6」のマスは価格5の商品を売ることが出来ます。

またWi-Fiマスと4Gマスは該当の技術を持っているので売ることが出来ますが、リチウムイオン電池、NFCマスは技術を獲得していないので売ることが出来ません。
VP獲得フェーズ
販売フェーズで販売した商品をVPに変換するフェーズです。
販売した商品の数×設定価格のVPを獲得します。

また、地域ごとに最も多くの商品を販売したプレイヤーは、マジョリティボーナスを獲得します。
例えば、中国で青プレイヤーが4個、黄色プレイヤーが2個の商品を販売しました。

最も多く商品を販売したプレイヤーは青プレイヤーなので、その地域の一番右に建っているオフィスのマスに描かれている4VPをマジョリティボーナスとして獲得します。

ゲームの終了
以上の8フェーズを5ラウンド繰り返したところでゲーム終了です。
スマホの販売で稼いだVPに、獲得した特許によるVPを合計して、最も多くのVPを稼いだプレイヤーの勝利です。
ゲームの感想
スマートフォンの販売を追体験できる経済ゲーム。
ゲームシステムで目を惹くのは、やはり2枚のパッドを組み合わせてアクションを計画する部分です。

パッドのアイコンの配置が絶妙なので、狙ったアイコンをアクティブにしようとすると他の諸々を犠牲にしなければいけません。
パッドを裏返したり、縦にしたり横にしたりしながら、あーでもないこーでもないと組み合わせに頭を悩ませるのがこのゲームの醍醐味でしょう。


この計画フェーズが一番時間がかかるところで、それ以降のフェーズでは、価格決定や商品生産などアイコンの数を数えるだけで割と自動で進みます。
計画さえ決めてしまえば後は意外とサクサク進むので、ゲーム時間も長くなりすぎず中量級として程良くまとまっていると感じました。
6種類ある技術の内どれから研究するかによって、プレイヤーの戦略に方向づけが出来るのも面白いポイントです。
例えば、リチウムイオン電池を獲得すれば、それ以降のラウンドでは「+$」アイコンが「トラック」としてもカウント出来るようになるので、販路拡大が大きく有利になります。

また、Wi-Fiを獲得すれば、通常はラウンド毎に廃棄される余剰在庫を持ち越せるようになるので、売れ残りを考えずに商品生産が可能になります。

自分がどういう戦略で勝とうとしているのかを良く考えて、計画的に技術を獲得しましょう。
中でもおススメの技術は「4G」です。
通常、改善タイルはパッドに収まるように配置しなければいけませんが、4Gを獲得すると1マス分だけパッドからはみ出して配置することが出来るようになります。

これが出来ると改善タイルを超有効に活用可能になり、大きく有利を取れるようになるでしょう。

また、嬉しいことにスマートフォン株式会社にはオートマのスティーブが対戦相手として用意されており、ソロプレイにも対応しています。

ソロプレイヤーでも安心して購入できますね。

スタイリッシュなデザインと、パッド配置によるアクションの計画というユニークなゲーム性。
ルールもシンプルで分かりやすいので、かなりオススメの中量級ゲームでした!
Tabletopiaであれば無料で遊んでみることも出来るので、気になった方はまずそちらで遊んでみても良いでしょう。

読んで下さりありがとうございました!